値引きの効果を冷静に考える

sale cards on beige background

営業を経験したことがあれば必ず商談や見積りで行ったことがある値引き。

気軽に値引きしてしまう営業マンもいるかもしれませんが利益に与える影響は意外にも大きいです。

 

また値引きを行って数多く売るべきか、はたまた値引きするぐらいなら売上が下がってでも耐えるべきか。

今回は利益の観点から、固変分解を使ってシミュレーションしながら考えてみます。

 

ある会社の通常の業績例(A)

単価   100
数量   120
売上高  12,000
固定費  5,000
変動費  6,000(変動費率 50%)
営業利益 1,000(利益率 8.3%)

ここで、単価を5%値引きして販売した場合(B)、営業利益はいくらになるか?

 

売上が5%下がるんだから営業利益も5%下がって 950なんて考えた方は大間違い!

 

結論からいうと、営業利益は400まで激減します。なんと60%の減少。

冷静に考えてみれば分かりますが、値下げしても同じ質のものを同じ量だけ販売しているのでコストは一切変化せず(=変動費も減らず)、売上だけが下がります。そうすると値下げした分がそのまま利益を奪うことになります。

AB
単価10095
数量120120
売上高(単価×数量)12,00011,400
固定費5,0005,000
変動費(変動費率50%)6,0006,000
営業利益1,000400
営業利益率8.3%3.5%

たった5%の値引きが利益の6割を吹っ飛ばす。安易な値引きがいかに危険かが分かると思います。

 

そしてここからが難しいところ。値引きが良くないのは分かった。じゃあ以下のパターンでは利益に対してどのような影響があるでしょうか。

・値引きはしたが、その分、販売量を増やして(5%増)当初とほぼ同じ売上高を確保した場合(C)

・反対に、売上[販売量]は減ってでも(仮に5%減)単価は死守した場合(D)

ABCD
単価1009595100
数量120120126114
売上高(単価×数量)12,00011,40011,97011,400
固定費5,0005,0005,0005,000
変動費(変動費率50%)6,0006,0006,3005,700
営業利益1,000400670700
営業利益率8.3%3.5%5.6%6.1%

この表をみると、販売量がたとえ減っても単価を守ることで利益減少額は小さく抑えられています。

またよく見ると、変動費率50%と表記していますが、実際には数量に基づく費用であることを認識しておくことも重要です。これを忘れると単価を下げれば伴って変動費も圧縮されると勘違いします。

今回の例では、変動費は実際には数量に対して@50のコストが計上されており、この費用の変化が利益を決定づけました。

 

シェアの維持・拡大や在庫処分の必要がある、といった事情がある場合には別ですが、販売量の確保のために安易な値引きに走るのはどうやら止めた方がよさそうです。

営業の最前線に立つ人たちにとっては売上高が最重要指標になると思いますが、一度自社商品・サービスを固変分解して、費用の構造や値引きによる影響具合を共有しておくと良いかもしれません。